運動はいつやっても健康的?運動に適した時間とは

定期的な運動はしていますか?冬の間は寒いこともありしていなかったという方も、春が近づくにつれて少しずつ身体を動かさないと、といった気持になります。週末にマラソンをしたり、平日でも定期的にジムに通ったりと運動にも様々な方法がありあますが、皆さんどのタイミングで運動をしていますか?早起きが得意な方は早朝に行うという方もいるでしょう。そうでない場合、仕事の合間といっても昼休みでは難しいので、帰宅途中や就寝前となります。筆者の知り合いの中には、夜中の12時過ぎに近所の公園に走りに行くと話している人がいました。帰宅し夕飯を食べた後、眠る前のこの時間しかタイミングが無いという人が多いのか、その時間の公園は薄暗いにも関わらず意外と走っている人が多いそうです。

1日7~8時間の睡眠が必要とされるなかで、12時過ぎの運動はあまり良いライフサイクルというイメージを持てませんが、それでも身体を動かしているのだから良いことなのでしょうか。

一見真逆の行動のように思えますが、運動と睡眠の間にはとても深い関係があります。筋肉を作る際、運動は不可欠ですが、運動をしている間には身体は引き締まりません。運動をすると、筋肉繊維にはたくさんの小さな亀裂が入ります。運動後、ストレスホルモンは増加し炎症を表す数値も上昇、血糖値の数値なども正常値からはずれた数値を示すこともあります。身体を引き締める変化は、その後にとる睡眠のなかで起こります。眠っているあいだに成長ホルモンなど身体の修復を行うホルモンが分泌され、より強い身体が作られていくのです。つまり、適度な運動と十分な睡眠はセットでないと運動の効果はしっかり現れません。

米国のある大学は、被験者を午前7時、午後1時、午後7時に運動するグループに分けて睡眠パターンを調べました。その結果、午前7時に運動したグループは身体の修復が行われる深いノンレム睡眠の段階も多く質の良い眠りが長くとれているということが分かりました。

激しい運動を行うと、身体内部の温度である深部体温が上がってしまいます。本来、眠る際には身体は深部体温を下げて眠りモードに入っていきます。ところが、運動で一度、深部体温を急上昇させてしまうと、下がるまでに4~6時間ほどかかると言われています。このため、眠る直前に運動してしまうことは、良い眠りを妨げてしまうのです。また、運動により交感神経が活性化するため、寝つき自体も悪くなります。

このように、夜の運動はできれば避けた方がよいのですが、仕事で帰りが遅い場合、朝も運動のために早く起きるのは難しいです。こうなると、お昼の時間を活用して少しでも多く動くしかありません。ジムへ行くのは難しいですが、例えば、あえて少し遠くのコンビニやレストランに行くなどウォーキングの時間を設けるのも手です。また、駅などではできるだけ階段を使うという手もあります。階段は普通に歩くよりも体への負荷が高く、日常的に繰り返した場合の効果は大きいそうです。

眠る直前にはあまり激しい運動はせず、軽いストレッチくらいにしておくのがよさそうですね。