あなたにあった最適な睡眠時間は何時間なのでしょうか?
睡眠時間が短すぎても眠くなってしまいますし、
長すぎても活動時間が減ってしまったり、逆に身体がだるくなってしまったりします。
日本人を対象にした眠りに対する意識調査では6時間をきると眠いと感じる人が多く、
実際7、8時間の睡眠をとっている人が最も心臓病にかかりにくいという調査結果が出ています。
前回の「睡眠のメカニズムに迫る レム睡眠と夢の関係」でも書いたように、
睡眠は眠りの浅いレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠に大別され、
このサイクルは90分間だと言われており、朝方に向かうほどノンレム睡眠の時間が短くなりレム睡眠が増えていきます。
そして少しずつノンレムとレムの睡眠サイクルが短くなり、通常自然と目を覚ます。
結果約7時間の睡眠時間が標準となるため、7時間ほどで人は自然と目が覚めるような仕組
みになっているのである。
次に睡眠と健康との関係性を見てみよう。
2004年に報告された日本人の睡眠時間と死亡の危険率を調べた調査では、
6.5~7.5時間の人がもっとも危険率が低く、
4時間以下や9時間以上寝ている人では危険率が1.3~1.6倍高くなっていました。
大前提として睡眠時間は長すぎても短すぎても悪いようです。
とはいえ睡眠不足が身体にどんな影響を与えるのかはよくわかっていません。
しかし、最近、米国の研究者により、睡眠時間を削ると耐糖能が低下して血糖値が増加する
、さらには、レプチンという食欲をコントロールする体内の物質が低下して食欲が増し、
体重が増加することが報告されました。
肥満をどうコントロールするかが、多くの生活習慣病の予防と治療のカギであり、
健康な生活のためには、栄養や運動だけではなく、睡眠も重要な役割を果たしていることは間違いないのです。
ただ歳をとるにつれて必要な睡眠時間は減っていく傾向にあることも非常に重要な事実です。
最後に、自分の理想の睡眠時間を知るにはどうすればいいのでしょうか。
人にとって適切な睡眠時間には、次の3つのタイプがあるといわれています。
・ショートスリーパー
おおむね5時間未満の短時間睡眠でも、日中の強い眠気などを感じない人。
・ロングスリーパー
おおむね9時間以上眠らないと、日常生活に支障を感じる人。
・バリアブルスリーパー
おおむね6〜8時間睡眠を習慣としている、普通の人。
この中で、バリアブルスリーパーには「変化しやすい」という意味もあり、
睡眠負債を作りやすいタイプであると言えます。
「理想は8時間睡眠」ということもよく聞きますが、国立精神・神経医療研究センターの三島
和夫先生は、
著書である『8時間睡眠のウソ。』(川端裕人共著/日経BP社)の中で「8時間眠るのがよい睡眠だというのは謎ですよ。
必要な睡眠時間は年齢によっても変わってくるし、そのうえで個人差もあるわけです」と、
8時間睡眠が理想というのは都市伝説だと指摘しています。
自分にあった睡眠時間を図る方法としては、
何の予定もない休日に、
目覚ましなどをかけずにいつも寝ている時間にベッドに入り何時間で目が覚めるのか図る方法があります。
いつもと同じくらいの時間に目が覚めれば自分にあった睡眠時間ということになり、
いつまでも起きれなければ睡眠負債が溜まっているということになります。
睡眠時間が足りていないとわかってはいてもなかなか改善をするのは難しい人が多いのが現実だと思います、
そうゆう方は、カーテンや照明、アロマなどを使い寝室の雰囲気を変えてみたり、
自分にあったオーダーメイド枕を検討してみるのも効果的な方法だと思います。