春に環境が変化するのは社会人だけではありません。
進学に進級と子供たちにとっても変化が大きい季節です。
学校生活だけでなく、今年から塾に行き始めたり、担任が変わって宿題が増えたり、
放課後の過ごし方も大きく変えなくてはならない子どもたちもいるでしょう。
親にとっても子どもの学業状況は関心ごとの1つです。
夜遅くまで勉強していて偉いねと言われたことのある人もいるかもしれませんが、
睡眠時間を削っての勉強は、実はあまり良い効果を生まないかもしれません。
米国睡眠学会によると、昼寝も含め子供に必要な睡眠時間は、
3歳-5歳が1日10時間-13時間、6歳-12歳が9-12時間、13歳-18歳が8-10時間となっています。
学年にもよりますが、小学生や中学生は1日7-9時間は学校で過ごしていると思うので、
上記の必要睡眠時間と合わせると、自由時間はかなり限られていることが分かります。
限られた中で、習い事や塾にも通うとなると宿題など学校外での勉強は
睡眠時間を削ってでもやらなくてはいけない、という状況もあり得るでしょう。
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、骨や肉体など身体がつくられていきます。
また、脳科学では人は睡眠中に記憶の整理を行っていることも分かっています。
浅い眠りのレム睡眠んも時間には脳は昼間の記憶を整理し、定着させると言われています。
レム睡眠とノンレム睡眠の波は周期的に繰り返されるため、睡眠時間が短いと、
レム睡眠の時間が少なく、記憶定着の機会も少なくなってしまいます。
一夜漬けで勉強した思い出はあっても、何を勉強したのかは記憶に残っていないということは
ありませんか?一夜漬けでは記憶がしっかり定着しないため、覚えたつもりのことが
数日で消えてしまうのです。
国内外で行われた、テストの成績と睡眠時間に関する調査でも、
小学生の睡眠時間が5-8時間まで増えるにつれて、成績が上がるという結果を
示すものがいくつかあるようです。
また、よく眠ると脳もよく育つことが分かっています。
東北大学の研究チームは、4年間で健康な5-18歳290人の睡眠時間と、それぞれの海馬の体積を調べました。海馬は記憶や感情を司る脳の部位です。
その結果、睡眠時間が10時間以上の子どもは、6時間の子どもよりも海馬の体積が1割程度大きいことが分かりました。
一概には言えませんが、子供がイライラすることが多い場合、睡眠不足により脳の働きが
鈍くなっていることが原因の可能性もあります。
このように、子どもの睡眠不足は学力にも発育にも深刻な影響をもたらします。
成績を上げるのであれば、やみくもに勉強するのではなく、まず睡眠時間をしっかりと確保し
脳を休ませる時間が必要です。
テレビやゲーム、SNSと睡眠を妨げると指摘されるものはたくさんあります。
これらの使い方を考え、しっかり休息できるよう親として子どもの睡眠時間に気を配ることも
大切です。
★快適睡眠づくりフェア★
より良い睡眠を求める人のための専門イベント!
2019年5月31日ー6月2日
パシフィコ横浜
詳細はウェブで