秋が深まり夜が長く感じられる様子を、「秋の夜長」といいます。一般的には秋分の9月23日ごろ以降のことを指して使われるようです。ただ、今年は暑い日が続いたため、いわゆる秋らしさが感じられるようになり始めたのは本当に最近のような気がします。
比較的過ごしやすい気候の秋は、読書の秋や芸術の秋といった趣味や、食欲の秋、スポーツの秋とライフスタイルを楽しむのに適した季節です。でも、生活を楽しめるのも健康な身体あってこそ。秋は寒暖差が大きく、体調を崩しやすい時期でもあるので、質の良い睡眠をしっかりとって生活を整えましょう。
実は秋は一年の中でも一番、睡眠がとりやすい時期と言われています。夏は暑すぎ、冬は冷えて眠れないという方でも、秋は気温がおちつくため朝まで眠れる可能性が高くなります。不眠症で悩んでいる人でも、秋は症状が軽減するといった方もあるようです。同じく春も気温が安定する時期ですが、日本の春は新学期・新年度の始まりで、生活環境が大きく変化する時期です。このため、環境の変化によるストレスを感じ、精神的な負担から良く眠れなくなってしまう人もいます。
秋は気温が下がり、身体が冷えやすくなり始める時期でもあります。このため、秋の睡眠は身体を温めることがカギです。
夏場はシャワーだけですませていたという人も、できれば秋は湯舟に浸かる時間を設けましょう。ぬるめのお湯に入るとリラックス効果があるうえ、身体の内部の温度である深部体温を上げてることができます。その後、眠る時間に向けて身体は内部から熱を逃します。深部体温を下げることで、身体は脳や身体を休息させるモードへ切り替えます。時間が無い場合は、足湯で足先を軽くマッサージするだけでも、効果があります。
次に、寝具も夏用のものから、暖かいものへ切り替えましょう。毛布を何枚も重ねるよりも、シーツを暖かいものにするほうが、保温効果が得られるそうです。パジャマも暖かいものに衣替えが必要です。ただ、冬でも睡眠中には汗をかくため、フリースのようなあまり吸湿性の良くない素材のものは避けた方がよさそうです。
秋は夏に比べて湿度も下がります。渇きが気になる方は加湿器などを活用してください。加湿器が無い場合、濡れたタオルを干すなどの方法でも湿度が保てます。睡眠に適した湿度は、50%程度と言われています。
ここまでは睡眠に直接関係することを並べましたが、ここからは日常の過ごし方で大切なことをあげていきます。
睡眠の質を上げるには、やはり適度な運動は欠かせません。スポーツの秋なので、無理の無い程度に運動を楽しみましょう。スポーツは苦手!という方は、駅でできるだけ階段を使ったり、電車で座らないなど小さなことから、日常のなかに少しだけ負荷を加えてみるだけでも運動になります。
秋は食も楽しみな時期です。鍋料理などで野菜をたっぷり摂ることもできますね。
ショウガやニンニク、ニラやネギなど身体を温める効果のある野菜を取り入れましょう。サンマや鰹などは自律神経を整えたり、肌荒れを防止したりするのに効果的な、ビタミンBを多く含みます。
そして、秋といえばキノコ。天然のキノコは9~11月ごろに旬を迎えるものが多いそうです。キノコはカロリーが低いうえビタミンBが豊富です。また、食物繊維も多く含まれているため、お腹の調子を整えることにも役立ちます。
秋を楽しみながら、少しずつ冬に向けた身体づくりをしていきましょう。