緊急事態宣言が全面解除されました。さっそく通勤という会社も増えそうですね。一歩で、メディアでもよく言われている通り、新型コロナウイルスは今後の私たちの働き方にも大きな影響を与えそうです。企業によっては、緊急事態が解除されても引き続き在宅勤務を継続したり、本格的に在宅勤務を導入するところも増えそうです。
さて、これまで特に睡眠に関するトラブルは無かったのに、在宅勤務になってから寝付きが悪くなった方や夜中に目覚めてしまうようになった方いませんか?
原因として考え得ることの1つとして、運動量の減少があります。
在宅勤務の良い点は、会社へ通うより比較的自由に時間を使えるということがあります。ですが、これは裏を返せば、自分でしっかり生活スタイルを管理していかなければいけないということです。睡眠も気を付けなければいけないことの1つです。
また、会社通いが無くなると、満員の電車に乗らなくて良い反面、運動量が減ります。通勤することで、家から駅、電車内で立っている時間、駅で会談を使うこと、駅から会社の移動を往復繰り返します。実は気付かないうちにそれなりに動いていることになります。もちろん通勤時間は人それぞれですが、通勤が無くなることで日常の運動量が減る方も意外といそうです。
眠りには、脳と体の両方を休めて疲労を解消させるという効果があります。
在宅勤務の場合、上記のように通勤のための移動やお客さんの会社への移動などが無くなるため、元々デスクワークが多かったという方の場合、更に継続的にパソコンへ向かう時間が増えてしまいます。体はあまり使わず、脳だけを酷使し続けることとなります。脳は休養を欲していても、体は休養をあまり必要としていないため、布団に入ってもなかなか寝付けません。
この状態を解消するには、意図的に運動を取り入れ身体を疲れさせることが必要です。
寝付きをよくするためには、1日30分程度は運動が必要だと言われています。それより短いと、眠りに必要なほど体が疲れません。といっても、これまで特に運動の習慣が無いと、いきなり毎日運動するのは難しいかもしれません。その場合、週に数回からでもいいので、少しずつ動く時間を取り入れるように心がけましょう。
運動としては、有酸素運動が適しています。ウォーキングやジョギング、サイクリングなどが該当します。都市封鎖が行われた国でも、これらの軽い運動のための外出は禁止されていないことが多かったですね。運動を行うことで、ストレスも解消でき気分転換することもできます。外に出るのが面倒という場合は、緊急事態宣言入りしてから、動画配信サイトで家でもできるエクササイズのような動画が様々にアップされているので、楽しくできそうなものから挑戦してみるのも良いと思います。
夜中に目が覚めるようになってしまった方、こちらも運動不足が原因の一つとして考えられるため、まず昼間の生活を見直してみましょう。
また、仮に目が覚めてしまっても、昼間に強い眠りを頻繁に感じ日常の生活に支障が出るということが無ければ、特に気にすることはなさそうです。これは、研究者の間でも見解が分かれることではあるものの、人が8時間ほど毎日まとまって眠るようになったのは、意外に最近かもしれないということです。
バージニア工科大学の歴史学者ロジャー・イーカーチ氏の論文によると、18世紀中ごろの産業革命前まで西欧では、夜の眠りを2回に分けており、途中に1-2時間目覚める時間を挟んで、約3時間ずつ眠っていたとのことです。当時の日記や医学書、法律文書などには、ファースト・スリープ、セカンド・スリープという表現が見られることからの見解です。間の目覚めの時間に隣人を訪ねることもあったのだとか。
産業革命後、作業効率向上のため提示に勤務が必要になったり、電気の登場で暗くなってからも長時間活動が可能になったりで、だんだんとまとまって眠る習慣に変っていったのかもしれません。イーカーク氏は、途中で目覚めてしまうのは伝統的な睡眠様式が現代において主張を試みているのでは?という意見を示しています。
あくまでこれは西欧をベースに研究した例なので、これがどの程度日本人に当てはまるかは分かりませんが・・・。目覚めてしまったことで、眠らなければということがプレッシャーとなってしまうよりは、再度眠くなるまで一度起きてゆっくりしてみるのも手かもしれません。
ただ、眠気が日常生活に影響を及ぼしている場合は、睡眠に関わる病気も考えられるため、一度、専門の医師に相談してみることも必要です。
緊急事態宣言の解除で、また生活スタイルが変化する方、運動や睡眠など健康に不可欠なことに注意しながら、無理せず過ごして下さい。