新型コロナウイルスの感染者数は依然として増加傾向にあります。引き続き在宅勤務を続ける企業も多くまた、コロナ対策のためでなく今後は在宅勤務も勤務体系の一部に加えオフィスを減らすことを決めた企業が出始めるなど、働き方が一気に多様化しています。年明けからとにかくイレギュラーな活動を迫られている今年も既に下半期に入りました。
皆さん、新しい生活スタイルには順応できているでしょうか?
在宅勤務の効果については様々な機関や企業が、仕事の効率面や健康面など多様な角度からアンケートを行っています。仕事面の効率につては、元々の企業風土なども関連して、想像よりも仕事がはかどるという人もいれば、やりにくい面が多いという人もいます。
健康面も同様で、「テレワークうつ」という言葉が出始めているように、外出の機会の減少や人と話す機会が減少したことから生活のリズムを崩してしまう人もいれば、長時間の通勤から解放されて睡眠時間がしっかり取れるようになったなど、過ごしやすくなったという人もいます。
テレワークうつの症状としては、眼精疲労や頭痛、肩コリなどもあげられますが、熟睡できないや、眠れないなどの睡眠に関するトラブルもあげられます。特に今年は梅雨も長く、湿気や冷えで眠れない日が続いたかと思えば、久しぶりの晴れの日は暑すぎて寝付けないなど、睡眠のコンディションを崩しやすい要素が集まっているような気がします。
一般的に大人に必要な睡眠時間は7-8時間ほどと言われています。最近は、良質な睡眠の重要性を説くコラム等も多く、気軽に睡眠計測できる機器も増えています。このため、睡眠の質を日常で気にかけている人も増えているのではないでしょうか。睡眠の質を日常的に気にかけていると、少し眠れなかったことで、うつかもしれないなどと不安になってしまうことはありませんか?
気軽な睡眠計測が誰にでも可能となったことで、数年前から欧米などを中心に一部の認知行動学者らは「オーソソムニア」という現象を指摘し始めています。これは、完璧な眠りを追求しているがゆえに引き起こされてしまう不安症のことです。完璧な眠りを考えすぎて、逆に夜、眠れなくなってしまうのです。眠りに関する知識をしっかり身に着けているのに、それが返って不健康の原因となってしまうのであれば本末転倒です。
そこで最後に、気にした方が良い危険な睡眠不足をチェックする項目をいくつか挙げておきます。
・起きて、3-4時間経っても頭がすっきりせず、眠気がある。
・日中にコーヒーなどを飲まないと、頭や身体がしっかり保てない。
・電車で座っているときや、休憩時間、車の運転中などふとした瞬間に眠気に襲われることが連日ある。
このように、日中にもコンスタントに眠気を感じることが多い場合、慢性的な睡眠不足になっている可能性があります。まずはリラックスできる時間を一日の中で少しでも長く確保できるように調整してみてください。
一方で、十分に眠れていない気がする一方で、特に日中に眠気を感じることも無いという方は、実は考えている以上に睡眠がとれているのかもしれません。一度、良質な睡眠のことを考えるのはやめて、眠れる時間に眠り、モデルにとらわれ過ぎずに自分の睡眠サイクルを見直してみましょう。