昔から早起きは三文の得といい、最近では朝活といった言葉も広まり、
就業前の時間に運動をしたり、習い事をしたりといったことも奨励されています。
学校などでも早寝早起きをしましょうと言われるなど、
朝型の方が良い生活習慣で、健康にも良く、夜型はあまり良くないイメージがあります。
ところが実際には、朝から元気に活動できる朝型タイプの人と、
逆に夜のほうが冴えてくる夜型のタイプの人がいます。
睡眠に対するアドバイスも朝の光を浴びるというように、どちらかと言うと
朝を奨励するものが多いように思いますが、なぜこのように朝型と夜型タイプに分かれるのでしょうか。
最近の研究では、先天的に朝型タイプと夜型タイプの人がいることが分かってきています。
体内時計の働きにより、人は朝に目覚め、夜には眠くなりますが、この体内時計の働きには、
時計遺伝子とも呼ばれる細胞内の遺伝子が影響しており、個人差があります。
具体的な違いについては、研究が進められている途中ですが、
最新の研究結果では、自分は朝型であるとする人の遺伝子の351ヵ所に変異が見られたとも報告
されています。過去のデータでは朝型か夜型かに影響する変異は24ヵ所とされているものもあり、
その差は想像よりも大きいのかもしれません。
最近見つかった変異では、朝型タイプの人は鬱病や統合失調症のリスクが低いとの結果が見られたそうです。
もう一つは後天的な要因です。夜中までパソコンやスマホを使用する傾向にある人や、
夕食が夜遅く多めに食べる人などは、夜型になる可能性が高い生活パターンです。
夜型タイプの場合、朝食を抜く傾向が高く不規則な食生活で栄養バランスが乱れ、
メタボリックシンドロームになりやすくなったり、学業成績も朝型タイプの一折
芳しくないことが多いと言われています。
どちらかというと、朝型タイプの方が良いことが多そうですが、
夜型を朝型に変えることはできるのでしょうか。
先天的に夜型傾向にある人の場合、朝型になるのは難しいかもしれません。
例えば、朝にしっかりと光を浴びて目覚める方法は、平日に続けても、週末に寝だめを
してしまうと、睡眠リズムが元に戻ってしまい、夜型の度合いが強い人には効き目が薄いです。
また、無理に朝型にしようという行いがストレスとなってしまうこともあります。
この場合、朝ごはんは抜かないや少しでも朝型を心掛けるなど負担のない形で
生活習慣を改善するのが良いかもしれません。
夜型は実は少数派ではなく、成人の約3割は夜型とも言われています。
朝型の推進だけでなく、時間差勤務などそれぞれに合った方法が選べるような
ライフスタイルの多様化を目指した社会という概念も必要かもしれませんね。
自分が朝型か夜型かについては、国立精神・神経医療研究センターの
ウェブサイトで簡易チェックすることができます。
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