5月病・コロナ鬱に負けない生活

緊急事態宣言から1カ月。運動不足などでストレスがたまる一方で、ようやく在宅勤務のリズムをつかめてきたりと、それぞれ思うところのある一ヵ月だったのではないでしょうか。5月の連休明けは、4月からの環境の変化にうまく適応しようと気持ちが緊張していたところへ、長期休みが訪れ、緊張が緩む反動で、逆に心身ともに疲れてしまう5月病と言われる症状が出やすい時期です。今年は更に、コロナ鬱も加わりより体調を崩しやすい環境になっています。

東京大学のデータ分析を専門とするあるチームは、新型コロナウイルスの感染拡大による人々の心理状態の変化を調べるため、1月16日から4月21日までの新型コロナウイルスに関するツイッターへの投稿約1億件の内容を分析しました。

その結果、「コロナ」と「ストレス」という単語が一緒に投稿された件数は、1月は1日平均約70件でしたが、3月は約2,450件、緊急事態宣言が出された4月には約6,100件にまで増加しました。更に、「コロナ」と一緒に「鬱」や「死にたい」といった表現が投稿されることも増え、1月と4月では鬱は約37倍、死にたいは約4倍となっていたそうです。

外出の自粛や突然の在宅勤務といった環境の変化に加え、先が見えないなかでの経済面の不安から来るストレスで心理状態が不安定になっていく人が増えていったことが伺えます。

5月病の主な症状は、体がだるい、やる気が出ない、眠れない、食欲がないなどの症状です。特に4月は元気だったのに、5月連休後半からこのような症状が出始めたという場合は注意が必要です。

5月病のような症状が出始めた場合は悪循環に陥らないよう、できるだけ生活習慣を整えることが必要です。睡眠時間をしっかり確保するため夜更しは控えましょう。起床時にはカーテンを開けて日光を浴びると日中と夜のメリハリがつけやすくなります。

自粛中は運動量が減りがちですが、外に出て少し歩いたり、動画を活用して運動したりと、一日のうちに少しでも体を動かす時間を取り入れてください。身体を動かすことで、精神を安定させるセロトニンが分泌されたり、適度な疲れは夜に心地よい睡眠を促します。

また、5月病は完璧主義の人がなりやすいと言われています。仕事を完璧にこなさなければや、在宅時間の長い今は、栄養のあるものを3食しっかり作らなければなどと、自分で自分にプレッシャーを与えていませんか?もちろんどれも大切なことですが、毎日全てをきっちり行うことを目指すのではなく、食事であれば今日のお昼は簡単なものでいいやなど、バランスを見ながら気を抜ける部分を作ることも重要です。

規則正しい生活は5月病克服の基本ですが、不安や悩みのストレスがある場合、友人や家族と話すことが気を軽くするための最も簡単な方法との意見もあります。仕事の合間に休憩時間を作ったり、一日の終わりなどに少しでも周りの人と会話をしてみてください。気分転換のきっかけになりますよ。