日本は世界の中でも短いということは、様々なメディアで話題となっています。経済協力開発機構(OECD)の調査では、加盟国の平均睡眠時間よりも1時間近く短い約7時間半ほどという結果が出ています。睡眠不足は脳の働きに影響し、仕事の効率が悪くなったり、健康にも害を及ぼすなど、様々な影響があることは当ブログでも度々述べています。
さて、子供は大人よりも長く眠る必要があります。生後0-3カ月の新生児は14~17時間の睡眠が必要で、1~2歳でも11~14時間は睡眠時間が必要とされています。ずっと眠っているイメージの赤ちゃんですが、実は日本では子供の睡眠時間も、諸外国に比べて短いという結果も出ています。米国の研究機関が17カ国の3カ月~3歳までの子供の睡眠時間を調査したところ、日本の子供の平均睡眠時間は昼と夜合計で11.6時間と調査国の中で最も短いということが分かりました。これは、睡眠時間が最も長かったニュージーランドよりも約2時間も短いという結果です。
別の調査で0~3歳までの子供の就寝時間を調べると、多くの国で大多数が19時~22時の間に就寝する一方で、日本では22時以降に就寝するという子供が約半数を占めるということも分かっています。
これから身体が発達する子供にとって、睡眠は大人以上に重要です。寝る子は育つと言いますが、子供の睡眠不足は、身体の成長だけでなく脳機能の発達にも影響が出てきます。
睡眠不足の子供は、情緒が不安定になったり、多動を含め精神的な症状が出てくる、5歳でも三角形が書けない、肥満になりやすいなどの影響があると言われています。
日本の子供の睡眠不足や就寝時間が遅い理由は様々なことが考えられます。
1つは、親である大人の睡眠時間が短いことです。日本の大人の睡眠時間は他国に比べ短いですが、特に女性の睡眠時間は短いという結果が出ています。仕事に家事、育児にと忙しいからという事情があるかもしれませんが、親の就寝時間が遅くなるとつられて子供の就寝時間も短くなりがちです。周りで大人が慌ただしくして至り、部屋の電気が明るくついていたりすると、子供でも眠りにくいですよね。
また、中には添い寝文化が睡眠時間が短い原因ではないかとする指摘もあります。これは、子供の睡眠時間が添い寝文化が無い欧米の国々は長く、添い寝をする傾向にあるアジア圏で短いという結果が出ていることに由来するようです。確かに、添い寝が習慣化していると、子供も親が横にいないと寝付かなくなったり、親も仕事などの都合でもう少ししてから眠ろうなどと自分の都合で動いてしまうかもしれません。
赤ちゃんは、大人のように理性的に活動することはまだできません。今日は早く寝ようとか、眠くなったので1人で寝室へ行こうということもできません。眠気を感じたら泣いたりして、周りに気持ちを伝えようとします。オムツを変え、ミルクもあげたのにまだ泣いている場合、もしかすると眠いのかもしれません。そんな時は、毛布をかけてあげたり、抱っこして歩いてみたりして寝かしつけてあげてください。
子供に必要な睡眠時間は、年齢によって変化しますが生後数か月から就学時までの夜の睡眠時間は、10時間以上は必要と言われています。昼寝の回数も1歳までは2~3回、1歳を過ぎたころからは1回が目安です。これはあくまでも目安なので、少し睡眠が短くても、子供が日中機嫌よく過ごしていれば問題ありません。
育児は大変ですが、子供の睡眠時間は十分に確保できるようにしましょう。