水仕事が大変・・・手荒れ対策

料理、掃除、洗濯などの家事などの仕事の際いがいにも、外出先から戻ったときやお手洗いの後など、手が水に触れる機会は多いですよね。特に冬の時期は、水が冷たいうえに乾燥でカサカサになってしまい困ってしまいます。手を洗う機会は多いため、クリームを塗ってもすぐに落ちてしまったりと、特に乾燥しやすい冬場は悩みがつきません。

そもそも手荒れはなぜ起きるのでしょうか?

手のひらには皮脂を分泌する皮脂腺が少なく、他の部位に比べてバリア機能が弱いです。そのうえ、日頃から物に触れたり、手を洗ったりすることが多く角層の水分が奪われて、手が荒れてしまうのです。実際に水仕事などで、手を頻繁に洗う人ほど手が荒れる傾向にあるそうです。

冬には気温が下がり、湿度も低いため、肌が乾燥します。肌の表面から水分が蒸発するのを防ぐ皮脂の分泌も減ってしまううえ、汗もあまりかかないので肌の表面に水分が補われません。バリア機能が低下し、肌が刺激を受けやすい状態となるため手が荒れやすい状態となってしまうのです。荒れた手をそのままにしていると、皮膚は更に刺激を受けて赤みや痒みが慢性的になり、治療が必要となることもあります。

日本皮膚科学会は2018年に始めて、手の湿疹の診療に関するガイドラインをまとめました。そこには、手のトラブルは荒れの段階で適切にケアし、湿疹にしないことと書かれています。

では、実際に荒れてしまったらどうしたら良いのでしょうか?

まず大切なのは、手を清潔に保つことです。特別に手が汚れたとき以外は、人肌ほどのぬるま湯で洗う程度で十分です。石鹸などの使い過ぎは必要な皮脂も取れてしまうため気を付けましょう。また、手を洗った後濡れたままにしておくと、水分とともに手のうるおいも蒸発してしまうため、しっかり拭きましょう。

手を清潔にした後は、化粧水やハンドクリームで保湿をしましょう。化粧水を先に塗ると、その後に塗るハンドクリームが浸透しやすくなります。また、ハンドクリームは手に取ったあと、手で包み少し温めてから塗ると、皮膚になじみやすくなります。乾燥が気になるときは、ハンドパックを試してみるのもいいですね。

手荒れの悪化を防ぐことも大事ですが、できるだけ荒れないように対策できれば一番いいですね。冬は、水が冷たいので洗い物などもお湯を使うことが多いと思います。でも、お湯は水より皮脂を落とす力が強いため、素手でお湯を使って作業すると、より肌がカサカサになってしまいます。そこで、洗い物をする際には、ゴム手袋を着用すると予防になります。

眠る際にも手袋をつけるという話もありますが、こちらは睡眠の質に悪い影響を与えてしまう可能性があります。寝ているときは、手足から熱を放出して体温調整を行います。手袋をしていると、熱がこもってしまい、体温調整がうまくいかずに眠りを妨げてしまうかもしれません。寝る前は、ハンドクリームを少し多めにしっかりと塗れば十分です。