見続けると目が悪くなるや体内時計が乱れるなど、
あまり良いイメージのないブルーライト。
寝る直前までスマートフォンなどの画面を見ていると、
ブルーライトの影響で眠れなくなるとも聞きますが、
実際にはどのような影響があるのでしょうか。
ブルーライトはスマートフォンやパソコン、LED照明に多く含まれています。
波長が380-500nm(ナノメートル)と、人の目で見ることができる
可視光線の中で一番波長が短く、エネルギーが強いと言われています。
ブルーライトは拡散して目が疲れやすくなるということから、眼科医が注目し始めました。
厚生労働省も「デジタルディスプレイ機器での作業を1時間行った際には、15分程度の休憩を取る」ことを推奨しています。
最近は、仕事でも家でも画面ありきなことが多いので、注意が必要です。
一方で、ブルーライトの目の細胞への影響については、
科学者の間でも賛否両論で議論が起きています。
昨年英国の科学誌に、ブルーライトの悪影響を指摘する内容が掲載され、
それがメディアに取り上げられると今度は、米国の学会がスマートフォンの
ブルーライトでは失明しないと反論の見解を発表しました。
日本では、眼科医で作られるブルーライト研究会が「影響は慎重に検討するべき」と
発表しています。
視力への影響が賛否分かれるなか、多く指摘されているのが、
ブルーライトは人間の体内時計に影響するということです。
空は青く見えますが、これはブルーライトが散乱しているためです。
強い光であるブルーライトを夜に長時間見ると、眠りにくくなってしまうのです。
昼間にブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が抑制され、活動的になります。
夜に浴びてしまうと、脳は明るい光を昼間と判断し、睡眠を促すメラトニンが放出されず、
体内時計が休息モードに切り替わりません。
ある実験では、ブルーライトをカットする眼鏡を付けた場合と付けていない場合で、
就寝1時間前にスマートフォンを見たときを比較すると、実験開始4日目以降から
睡眠時間に差が出始めたそうです。また、日中の活動度も眼鏡を付けていない人の
ほうが低いという結果が得られたそうです。
普段はスマートフォンが手放せないという人も、
寝る前1時間だけでも、読書などデジタルな世界から離れてみると良いかもしれませ。