免疫力を高めて、ウイルス対策!

ニュースでは、引き続き新型コロナウイルスの話題が目立ちます。終息の兆しが見えないどころか、感染者数が日本でも連日増えており、不安が募ります。

手洗いをする、人混みを避けるなど様々な予防法が言われており、それらを実行することはもちろん大切ですが、健康を守るために一番必要なのは、「免疫力」を落とさないこと・上げることではないでしょうか。

免疫という言葉は多くの方が聞いたことはあると思いますが、具体的に何のことだか説明しろと言われると難しいですよね?

免疫は、体の外から侵入してきたウイルスや体内で発生したガン細胞などを常に監視し、撃退する体の自己防衛機能のことです。人の体内では、いくつもの免疫細胞が協調して働いています。日々の生活の中で、体内ではどうしても身体に害をもたらす細胞もできてしまいます。でも、多くの場合は発病しません。それは、免疫細胞が連動して死滅させるために働いているからです。

免疫システムは15歳ごろまでにできあがり、20歳を超えると低下すると言われています。免疫力が下がると、例えば肌が荒れやすくなったり、疲れやすくなったりします。また、花粉症やアトピー性皮膚炎のようなアレルギーを発症しやすくなったり、ウイルスや感染症にかかりやすくなってしまいます。

免疫システムは身体を健康に保つ力です。生活習慣が乱れたり、強いストレスを感じると正常に機能しなくなります。免疫機能を正常に保つには、自律神経をバランスよく働いていることがポイントです。

自律神経には、日中活動しているときに活発になる交換神経と、夜にリラックスしているときに働く副交感神経があります。この二つのメリハリがつかず、どちらかばかりが優位になってしまうと、免疫が正常に機能しなくなってしまいます。

自律神経の働きを保つには、適度な運動が不可欠です。1日10分ほど体操をするだけでも役立つそうですが、理想としては散歩など少し汗をかく程度の運動の時間を設けたいですね。

昼間、仕事で忙しい人は、夜、帰宅してからはできるだけリラックスして過ごしましょう。よく笑うこと、笑顔になることも副交感神経の働きを促します。また、例え作り笑いでも、笑顔になることでNK細胞という免疫を司る細胞が活性化するという効果も分かっています。

さて、ここまでは自律神経と免疫について書きましたが、今度は食事です。

人間の身体は、口から肛門まで続くトンネルのような構造になっています。このため、呼吸や食事をすると、空気や食事だけでなくウイルスや細菌、病原体も体内に運ばれていて、腸は毎日たくさんのウイルスに触れることになります。これらに対抗するために、免疫細胞の約6割は腸にいると言われています。

腸内の免疫細胞を活性化させるためには、腸内の善玉菌を増やすことが必要です。善玉菌と聞くと、ヨーグルトを思い起こす人が多いと思います。ヨーグルトに含まれるビフィズス菌は、善玉菌の代表格の乳酸菌の一種です。善玉菌を増やすため、善玉菌のえさになる食品の摂取が大切ですが、ヨーグルトはその代表例としてよく取り上げられます。

乳酸菌以外にも、身体に良い菌として、麹菌、酵母菌、納豆菌などがあげられます。これ、どれも聞いたことのある菌ですよね?日本人は実は、これらが含まれる発酵食品を豊富にとり、免疫力を高めていたのです。身近にある食品としては、みそ、しょうゆ、お酢、ぬか漬け、納豆、たくあん、鰹節などがあります。また、キムチやチーズ、日本酒やワイン、ビールなども発酵食品です。アルコール類の飲みすぎには要注意ですが、その他の食品類は日々の食事の中で自然な形で取り入れられるものが多いですよね。

そして、最後に、免疫力を保つには体温を上げることも大切です。三寒四温でこの時期はなかなか気温が安定しません。免疫細胞は血液の中にいるので、体温が下がって血行が悪くなってしまうと、体内に異物を見つけても素早い攻撃ができません。

免疫が正常に保たれる体温は36.5℃前後です。免疫力は体温が1℃下がると約30%低下、1℃上がると5倍ほどに上がるとも言われています。身体が冷えてしまったときは、40℃ほどのお湯に30分ほどつかり、芯から温まるとリラックスできると同時に免疫力の向上に役立ちます。

一日だけ行うのではなく、日々続けて免疫力を維持するのが必要です。できることから実践して、ウイルスに負けない身体を作りましょう。