「スリープテック」
TV番組でも紹介され最近聞く機会も増えてきたワードではないだろうか。
睡眠とテクノロジーを掛け合わせた言葉で文字通り、
IT技術を駆使して睡眠をサポートしていこうという動きを指す。
スリープテックが始めて登場したのは2012年頃になりますが、
このころのスリープテックは単純に睡眠時間を図るというシンプルなものだったようだが、
今の多様なスリープテックサービスを見ていけば消費者の希望を受けて大きく進化してきたことが分かる。
このような中、「スリープテック」をめぐる市場競争は、
転換点を経て第2ステージを迎えており、
テクノロジーを扱う様々な企業がこの市場に向けての研究開発を進めている。
投資家の視点から見れば、睡眠をサポートするスリープテクノロジーは、
「マーケットサイズは人類全員、利用頻度は毎日」と好条件が揃っており、
このスリープテックの世界市場規模は、14年に580億ドル(約6兆5820億円)と評価されていた。
20年までにはさらに成長し、800億ドル(約9兆785億円)に達すると予測されており、
多くの主要テック企業にとって、スリープテックが次の戦場となっているのです。
それでは最新のスリープテック製品、サービスにはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なものは「Apple Watch」に代表されるいわゆるウェアラブルウオッチと呼ばれるデバイスだろう。
これらは従来の睡眠時間を図る機能だけではなく、
心拍数や体温変化などを図り、PCと連携するすることで、
毎日の変化をグラフ化し自分のライフスタイルに沿った睡眠を知る情報を集めることが可能です。
この他にもITを駆使した睡眠改善テクノロジーが日夜開発されています。
その中には、睡眠中ブランケットの上から装着することで呼吸の回数や長さをセンサーで感知し、
安眠につながる呼吸リズムをガイドしてくれる睡眠導入ベルト。
睡眠時の寝返りなどに対応して、睡眠に最適な形に変化し、
温度管理も行うスマートベッドも開発されており、
相手のいびきを感知し、いびきをかかないように態勢をコントロールしてくれる機能もついています。
他にも最高の寝覚めにつながる覚醒時間を計算して、起こしてくれるIT目覚ましなどもあるようです。
また昨年の世界的なテック企業の開発状況を見れば、
スリープテックへの注目度の高さが分かるだろう。
ノキアは1月、「Nokia Sleep」を発表した。
これは起床時間に合わせてブラインドを開いたり、
照明を切り替えたりできる機能を備えた睡眠センサーだ。
フィリップスの呼吸医療および睡眠医療部門「スリープ&レスピラトリケア」は、
5月オランダの企業ナイトバランス(NightBalance)を買収した。
ナイトバランスは、就寝時の姿勢改善により睡眠の質を高める技術を開発している。
6月にはボーズも、ノイズマスキングでユーザーを安眠に誘うという高級イヤープラグ、
「BOSE NOISE-MASKING SLEEPBUDS」を発売した。
快適で良質な睡眠につながる寝具や機器、装置など、
ITを駆使したスリープテック商品の開発は始まったばかりといえるかもしれません。